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奈良県在住。日々のログとして書くことにします。

真実の歴史を「言葉」から探ること、加藤陽子の著書は、考えるためのヒントが詰まっていますね!

こんばんは。

 

奈良北西部、また雨が降り始めました。

 

今日も在宅をして、

 

不要不急の外出は控えました。

 

さて、

 

読みたかった本が届きました。

 

加藤陽子 『この国のかたちを見つめ直す』 毎日新聞出版

 

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彼女はこの本のおわりで、

 

次のように述べています。

 

私の読みたかった理由が端的に書かれているので、

 

少し長いけれど、引用します。

 

 先の大戦は、自国のみを利する閉鎖的な地域秩序を東アジアに敷くことで、

 

1930年代の経済危機と軍事危機を克服しようと図った我が父祖らの基本的な

 

社会秩序構想=憲法が、英米側のリベラル・デモクラシーの国々の軍事力

 

によって打倒されたことを意味する。ぎりぎりの最終盤で日本は、憲法

 

書き換えることを選択し、戦争は終結した。

 

 だが、2020年以来の新型コロナウイルスをめぐる国の対応ぶりを回顧するにつけ、

 

国家は国民を守らないのではないか、国家と国民が交わした戦後の社会契約の

 

正味期限が来てしまったのではないか、との不安が社会を覆うようになったと

 

感じる。自由のもたらす恵沢を国民のためにしっかりと確保し、国民からの

 

厳粛な信託を受けた政治の成果としての福利を国民にしっかりと享受させうる

 

国家は見失われた。新型コロナに起因した、格差の急速な拡大に対処しえない

 

国家を、第二次世界大戦時の戦争中の比喩で批判する言説が日本のみならず

 

世界各国で見られたのには理由があろう。戦争を画期として戦後に生まれた社会

 

契約の機能不全が世界各地で見られるようになった。

 

 国家の再生が必要となる時、ひとは国家の来歴を求め、自らの父祖の歴史

 

をたぐり寄せる。だが、そうする時、自らの国家が他国との間でつむいだ歴史

 

に潤色を加えようとするのは無意味だ。嘘をつくには相手がいるが、

 

他国は国家の嘘につきあってくれない。

 

 歴史の真実は、人間の行動の記録として残された事実だけで成り立っているのでは

 

なく、人間が書いたり発したりした「言葉」に現れた知性の営みの中にもあると

 

先哲は教えてくれている。真実の歴史を「言葉」から探ること、

 

本書では、これを目指した。

 

加藤陽子『この国のかたちを見つめ直す』 おわりから

 

 

 

 1875年、

 

福沢諭吉は『文明論之概略』で、

 

異説をすぐに良くないといって、

 

議論を統一しようとする傾向に対し、

 

「人事の進歩は多事争論の間に在り」という

 

彼の基本的立場を主張しました。

 

 

それから146年が経ちましたが、

 

福沢が主張した、

 

「人類の進歩は多事争論の間にあり」という考えは、

 

日本人の中に根付かず、

 

現在に至っています。

 

 

残念ですが、

 

他者や他国に「不寛容」・排除な空気が・・

 

世界中に広がっていると感じます。

 

 

これでええんかなあ・・・・

 

 

こんな時こそ、

 

加藤陽子の視点を座標軸にして、

 

日々過ごさんとあきませんね。(笑)

 

 

 

 

 

 

 

では・・・

 

みなさん、

 

楽しい週末をお過ごしください。