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奈良県在住。日々のログとして書くことにします。

「原っぱ」という社会がほしい 橋本治の言葉が心に染みました。(笑)

こんばんは。

 

公私とも一区切りついたので、

 

ひさしぶりに、

 

キ-ボ-ドに向かっています。

 

 

 

橋本治の遺稿が本になったのでさっそく読みました。

 

「原っぱ」という社会がほしい

 

橋本治 河出新書 2021年1月30日 初版発行

 

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内田樹が序文でこう書いています。

 

 たしかに橋本さんがその生涯をかけてしてきたのは、「誰のものでもな

 

い土地で空いているだけ」 の場所を、そこから無尽蔵の喜びを引き出す

 

ことのできる「草の海」に見立てることだったと思います。『桃尻娘

 

が衝撃的だったのは、そこにふつうの高校生の生活がそのまま書かれて

 

いたからです。高校生の思いが、高校生の言葉づかいのまま書かれて

 

いた。それが信じられないくらいに面白かった。「大人にとってみれば

 

なんの意味もない」ような高校生の独白を橋本さんは魔法のようなすてき

 

な物語に仕上げてしまった。それは原っぱを時代劇の舞台にしたり、少年

 

探偵団ごっこの舞台にしたりして、時を忘れて遊んでいたのとあまり変わ

 

らなかったのだと思います。(以下略)

 

前掲書 序文 草の海のキャッチャー p4 

 

     

 

  

 構成は

 

第一章 「近未来」としての平成

 

第二章 「昭和」が向こうに飛んでゆく

 

第三章 原っぱの論理

 

第四章 遠い地平、低い視点

 

特別掲載 野間文学賞贈呈式スピ-チ原稿

 

 

読みたかったのは、第三章、原っぱの論理 

 

このような内容が綴られています。

 

 

①メンドウクサイことなんか知らない。

 

②女ばかりやたらいた

 

③我が祖母、橋本千代のこと

 

④近所にも子供達がいた

 

⑤そこに原っぱがあった

 

⑥世界で、一番幸福だった時代

 

⑦原っぱが遠ざかる日

 

⑧中学だって遊んでた

 

⑨大人は、判ってくれないんだ

 

⑩原っぱという社会ほしい

 

橋本治はこう述べています。

 

原っぱがあったからなのね。なんの意味もないただの空き地だったんだ

 

けど、僕たちがそこにいることによって、そこが僕たちの世界に変わって

 

った。だからつまり、世の中がいくらぎゅっと縮まってっても、原っぱが

 

ありさえすれば、そこにいさえすれば、人間って、なんとかなるよう

 

なものっていうのは作れるかもしれないと思うのね。だからその、みんな

 

で作ってく混沌を平面に存在させる場所っていう、そうゆう原っぱってい

 

うのがなくなっちゃ駄目なんだよね。でそれは、原っぱじゃなくても、

 

一つの概念でありさえすればいいと思うのね。(中略)

 

<原っぱの論理>っていうのは、場所の論理であって、人の論理であっ

 

て、時間の論理であって、その三つっていうのが全部一つであるって

 

ゆうのは、自分っていうのは色んな要素からでき上げっているから、

 

”色んな要素の中の何か一つ”ではなく、色んな自分ーその自分の手を取っ

 

てくれる他人っていう形で広げていかないかぎり、目って何も見えないと

 

思うの。(以下略)

 

前掲書 p187~194

 

 

⑪ 少年の為に

 

 この章を橋本治はこう締めくくります。

 

真面目になるのはなんの為? 冗談が分かる為じゃないの?

 

全部蹴っ飛ばす為にあるんですよ。蹴っ飛ばした後に自分があるんだも

 

ん、ってふうに僕は思ってるから、もう冗談やったのね。

 

だって、ビ-トたけしが漫才界の哲学者になるのは簡単だけど、

 

エマニエル・カントがビ-トたけしになれるかって言ったら、

 

なれないでしょ? こういう話は、ほっとくとキリがないので。

 

ちょうど時間になりました。

 

 終わりということにいたします。(拍手)

 

前掲書 p200

 

 

 

 

 

「原っぱ」 

 

この空間で過ごすことによって、

 

いろいろなことを身につけました。(笑)

 

『生きている社会』だったと思います。

 

 

 

 

 

 

橋本治が望んだ「原っぱ」という世界を

 

 

これからの時代を担う世代に体験してほしい。

 

 

私ももう一度、

 

「原っぱ」で暮らしたい。

 

見果てぬ夢ですが・・・

 

せめて、

 

夢の中で、

 

「原っぱ」を走り回ることにします。(笑)

 

 

みなさん、おやすみなさい。