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奈良県在住。日々のログとして書くことにします。

荒野の時代に 目先の利を追うだけでいいのか 池澤夏樹の言葉が心にしみます。

こんにちは。

 

奈良北西部、曇り空に夕方を迎えています。

 

今日は在宅勤務。

 

お昼の散歩で、昔ながらの田植えの光景を目にしました。

 

 

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日本列島に稲作が伝わってから

 

2000年近く繰り返されてきた景色です。

 

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2020年6月21日 毎日新聞 9 特集に

 

作家池澤夏樹氏が

 

シリーズ 疫病と人間と題して 寄稿されていました。

 

読みながら、

 

心に響いたフレーズを抜き出してみました。

 

 

 今、世界の人々が向き合っているのは、「人は人に対して感染源であ

 

る」という状況である。(中略)

 

 かつて、フラッシュモブというイベントがあった。(中略)

 

人が集まるとはこんなに楽しいことだったのにと思う。(中略)

 

 政治の劣化

 

 今の政府のメンバーに社会主義の思想が足りないから、施策が見当

 

違いになる。飲食店などに自粛を要請するのならば休業保障はセット

 

だろう。日銭が入らなければ家賃も払えないのに、その手配がちぐはぐで

 

遅い。失敗と愚策ばかり。不通の国民の普通の生活の場への想像力がな

 

い。(中略)

 

 言葉を職業とする者として言えば、副詞・形容詞の多い語り手は

 

信用しない方がいい。安部の言葉は「美しい国」以来ぶよぶよの水増し

 

である。(中略)

 

 政治家も財界人も目先の利を追うばかりで遠い先を見ていなかった。

 

国民もそれでいいと思って浮かれていた。

 

 たかが歩く影

 

 我々は別の世界に入ろうとしている。そこは荒野であるらしい。(中略)

 

 ヒトと自然界が対峙するという構図も考えられる。では震災やパンデ

 

ミックはヒトの増長に対する抑制の機能なのか。いや、自然にそんなバラ

 

ンス感覚はない。いつか起こるはずのことが今起こっただけ。

 

すべてはヒトの人間の、一人芝居だ。

 

 芝居と言えばシェイクスピア。王になるという野望、共犯者であった

 

妻、両方を失ったマクベスが嘆くー「人生はたかが歩く影、哀れな役者

 

だ。出場の間は舞台で大見得を切っても、袖に入ればそれきり」なの

 

だから、「筋の通った意味などない」(松岡和子の訳による)

 

地球という舞台上のヒトの栄光も signifying nothing なのか。

 

 

 マクベスのこの台詞の一部をタイトルに借りて『怒りと響き』と

 

いう傑作を書いたウィリアム・フォ-クナ-はノ-ベル賞のスピ-チで

 

「私は人間の終焉を信じない」と言うー

 

 「人間は耐えるだけでなく勝利するだろう。すべての生き物の中で人間

 

だけが尽きることのない声を持っているからではない。人間には魂があ

 

り、共感と犠牲と忍耐を担うだけの精神があるからだ

 

 

毎日新聞 2020年6月21日(日)9 特集より

 

 

 

 

 

 

ゆっくりと斜陽の道を進む日本で

 

その現実と向き合うべきか?

 

そしてどう暮らしてゆくのか?

 

里山の中で暮らしながら

 

考えてみようと思います。

 

 

では・・・

 

今から、夕方の散歩に出かけてきます。

 

 

楽しい夜をお迎えください。