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奈良県在住。日々のログとして書くことにします。

『考えるヒント』 何回読んでも難解ですね。

8月6日土曜日、今日はキツネの嫁入りにあわずに済みました。

 

キツネの嫁入り』は晴れているのに、急に降る雨のことですが、この言葉

 

聞いたことがない世代の方もいらっしゃるでしょうね。・・・

 

 

さて、友人が今日から15日まで、夏休み・お盆休みに突入しました。

 

のんびり本を読んで過ごすそうです。

 

 

「何読むの?」って聞いたら・・・・・・・

 

『考えるヒント』 小林秀雄 文春文庫1・2・3 という答え。・・・・

 

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「でた!・・・・・」

 

70代以上の方々には馴染みの評論家。・・・

 

彼の言葉を生きる指針にされている年配者も多いと思います。

 

 

 私は高校の現国の教科書で彼の文章を初めて読んだとき・・・・・・・・・

 

一読・・・難解

 

二読・・・不可解

 

三読・・・誤解 (租税法の条文も同じように表現されますが・・)

 

「何回読んでも、何が言いたいのか・・わからへん・・・!!!!」

 

が素直な気持ちでした。・・・

 

大学入試では、現国の問題文として頻繁に各大学で出題され、

 

その難解な文章に苦しめられた受験生も多かったと思います。

 

私も、その一人。

 

毛嫌いしてしまい再び手に取ったのは人生の折り返し点を過ぎてからです。

 

 

きっかけは、私淑する中小企業の社長が酒の席で語ってくれた一言でした。

 

小林秀雄は、1回か2回、彼の書いた文章を上っ面だけなぞって読むような読者には、

彼の真意はわからへんように書いてる。そう、いやでも、考えへんとあかんように仕掛

けを文章にちりばめて書いてる。彼が伝えたい事を読み取りたかったら、読者

は何度も何度も立ち止まって考えて、視点も変えてみる、その繰り返しをせえ

へんとたどり着けへんように書いてると思うで。ちゃうかなあ・・」

 

「ガーン」・・・・・・・

 

そうやったんですね。・・・・・

 

「俺は真剣に書いてるぞ。お前も真剣に読め!」・・という事か・・・

 

 

 

最近の評論は、読者が誤解しないようわかりやすく書く方が大半ですね。・・

 

情報として読む場合はその書き方でいいのだと思います。

 

しかし、考えるという視点なら、小林秀雄の書くスタイルは正解です。

 

 

 

『考えるヒント2』文春文庫 のなかに「考える事」という文章があります。

 

その中で、わたしでも理解できる部分を抜き出してみました。

 

考えるとは、物に対する単に知的な働きではなく、物と親身に交わる事

だ。物を外から知るのではなく。物を身に感じて生きる、そういう経験を

いう。(以下略)『考えるヒント2』 P84

 

書くのは簡単ですが、この生活態度を実践することは簡単ではありません。

 

試行錯誤の連続の日々になるでしょう。・・

 

 

友人の一言がきっかけになって・・・

 

私もお盆休みに『考えるヒント』を読み直すことにしました。

 

お恥ずかしい話ですが、もう5回以上読み返しています。・・

 

しかし、まだ、「やっぱり、真意がつかめません。 わかりません!!・・」

 

 

本で対話して、勝手に落ち込んでいます。

 

 

「ええやん・・・・」

 

焦らずに本の中で対話して、掴み取りたいと思います。

 

 

 では、みなさんも

 

 

楽しい休日をお過ごしください!。